文化の違い 英単語・イディオム

「ベジタリアン」「ビーガン」って何?「魚」は「肉」なの?

ベジタリアンビーガンという言葉を日本でもよく聞くようになりましたが、その認識は少し独特のようです。

そもそもベジタリアンビーガンとは何なのか、文化的な背景も含めてまとめてみました。

日本人は新しい文化作りが得意

「ハロウィン」や「クリスマス」がわかりやすい例ですが、日本では外国の祝日を、「本来の意味」を理解しないまま日本独自の「イベント」に作り替えて楽しむのがとても得意です。

外国の文化や風習を日本風にアレンジして独自の文化やイベントなどを作るのが上手なんですね。

食文化でも同じようなことが言えるようで、最近日本に住む外国人の友人との会話から気づいたことがあります。

「魚」は「肉」じゃない?

  • 日本人は魚を肉(動物の筋肉)だと思っていない

日本に住む外国人が揃って大きく首を縦に振った事実。

刺身や鮨など世界で有名な魚をメインにした日本料理があるので、日本人は魚好きで日常的によく食べることは世界中でよく知られていますが、彼らは日本人が魚に独特のポジションを定義していることにも気がついていました。

外国人にとって「鳥獣の肉」か「魚(の肉)」かは基本的に並列ポジションですが、日本人にとって「魚」は非常に独特なポジションを持っていることが、日本の「ベジタリアン」を見ていると感じるそうです。

ほとんどの日本人が「ベジタリアン = 鳥獣肉を食べない人」と考え、牛・豚・鳥などの鳥獣の肉は食べないけれど魚(の肉)は普通に食べているため、とても違和感を感じるそうです。

ベジタリアンの定義とは

では、そもそもベジタリアンの正しい定義は一体何なのでしょうか?

ベジタリアンは英語でVegetarianで、日本語では菜食主義者と訳されています。

菜食主義なので、野菜しか食べない人かと思いきや様々な種類があります。

名称 食べるもの
フルータリアン 木の実(果物・ナッツ類・木になる野菜)しか食べない
ビーガン(ヴィーガン) 鳥獣の肉・卵・魚介類やそれらの副生成物を一切食べない(はちみつ・ゼラチンなど少しでも動物が関与するものはNG!)
ラクト・オボ・ベジタリアン 肉・魚は食べないが、乳製品や卵は食べる
ペスコ・ベジタリアン 肉・卵・乳製品は食べないが、魚介類は食べる
ノン・ミート・イーター 鳥獣肉を食べない(魚介類は食べる)
ポゥヨゥ・ベジタリアン 鶏肉だけはOKだが他の肉はNG
セミ・ベジタリアン 肉をなるべく食べないようにしている

上記はほんの一例ですが、世界にはいろんなベジタリアン理論があるようで、魚介類を肉とするか否かも結構理論が別れるポイントみたいですね。

豚肉のみNG、牛肉のみNGという宗教的な食習慣なども含めれば、本当に食習慣は多種多様です。

食は人生の楽しみのひとつなので、自分の信条・環境・体調などに合わせて柔軟に対応したいですもんね。

飛行機の機内食も、ビーガン、ベジタリアン食など様々なミールの種類からリクエストできるので試してみると面白いです♪

ベジタリアンやビーガンになる理由

ベジタリアンになるきっかけは主に以下の3つが多いようです。

  • アレルギーや病気改善・健康増進
  • 自身の考え方・信条・宗教的理由
  • 環境への配慮

身体の健康改善・増進目的でベジタリアンを始め(だから、肉をあまり食べないけど魚は食べるベジタリアンが多い)、その良さを実感した人が心の健康・動物愛護・地球環境等にも目を向けてより厳格なビーガンになるという流れが多いそうです。

そしてビーガンになると、食だけでなく、着るものや住まい、衣食住すべてのライフスタイルにおいても動物性の素材を使用しない、動物愛護と地球環境を信条とする「エシカル・ビーガン」になる人たちもいます。

「エシカル・ビーガン」は、革製品の靴やバッグ、ウールの服はもちろん、シルクの下着やファーのコート、革の財布なども使いません。

洗顔料、ボディーソープ、コスメも動物性油、ハチミツ、牛乳、卵の成分が抽出されていないものを選びます。

精白・精製するために、「骨炭」という牛骨粉が使用されることがあるため、白砂糖も避けます。

生活全般において「動物性の素材を使わない」生き方そものもが本当のビーガンです。

ベジタリアンとビーガンの語源

ちなみにベジタリアンの語源は、野菜を意味するベジタブル(vegetable)ではありません。

ベジタリアンのベジの語源はラテン語のvegetus(ベジェトゥス)で、「健全な」「新鮮な」「活力のある」という意味だそうです。

1847年に発足した英国ベジタリアン協会で初めて使われた言葉です。

ビーガンは、1944年イギリスでビーガン(ヴィーガン)協会(The Vegan Society)が設立された際に命名されました。

日本はベジタリアンが住みにくい国?

日本料理は昔からベジタリアン料理が基本でした。

精進料理に代表されるように、野菜類、穀類、海藻類、豆類、木の実、果実などをメインに、生臭物(肉、魚介類)を使用しない料理です。

精進という言葉は、仏の教えによって仏道修行に努めることなので、動物愛護(殺生を避ける)と健康維持を目的とするビーガンやベジタリアンの基本理念と共通します。

明治維新の頃までは、米飯に一汁一菜の粗食が基本であり、祝いの日に魚を食べる程度でした。

日本料理の場合やはり魚は特別なものであり、肉や魚動物性食品を使っていないようでも出汁にカツオなどの動物性食品が使われていることも多いです。

宗教的な理由や厳格なビーガンの場合、カツオなどでとる動物性の出汁や白砂糖もNGの場合があるので、原材料までしっかりチェックしていると、日本の食事は美味しいと世界中で評判ですが、厳しいビーガンの人は、日本で外食を楽しむのは結構難しいです。

東京などの外国人が多いエリアを除くと、インド人など宗教上の理由でいろいろ制限がある場合、飲食店を見つけるの大変です(汗)

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