台湾や中国に旅行に行ったら、是非体験したいのが長い歴史と東洋医学の凄さを感じる本場のマッサージ。
現地で安全かつ快適にマッサージをより快適に受けるための表現についてまとめました。
マッサージ店の選び方
中国や台湾では全身マッサージや足つぼマッサージ、漢方を使ったオイルマッサージなど、長い歴史と伝統の技を日本よりも圧倒的に安い値段で体験できます。
日本ではエステ(美容)やリラクゼーションを目的としたマッサージやコリや歪みを調整する整体(整体というカテゴリーは日本独自の文化)の一部として行うマッサージが主流ですが、中国や台湾で主流のマッサージは東洋医学をベースとした長い歴史のあるもので、マッサージ師は中国語で「师傅( shī f u )」や「医生(yī shēng )」など特定の高い技能を持つ人を表す日本語の「先生」のようなニュアンスの名称で呼ばれています。
また、中国医学の訓練を受けた目の不自由な人がマッサージをしている店も多くあります。(現在日本で「あん摩マッサージ指圧師」という国家資格も、昔は盲目の人が多く従事する仕事のひとつだったと言われています。)
もちろん観光客向けの外資系ホテルや大型施設では、いわゆる日本にあるようなエステやリラクセーション目的のマッサージ店もありますが、せっかく歴史ある地域に来たのなら、現地ならではの本格的な中国式(台湾式)マッサージを(できるだけ安価な現地価格で)体験したいものです。
とはいえ、異国で言葉が不安だとなかなかローカルに人気の安くて良いマッサージ店には飛び込めませんので、最低限自分に目的にあったお店かどうか、また清潔さや安心できる店かどうかを確認する方法できる程度の中国語は覚えておく必要があります。
まずはお客さんの多い、人通りの多い場所にあるお店を選び、マッサージの種類や料金と支払い方法も確認しましょう。
自分が受けたいマッサージが受けられるかどうか、清潔かどうか、セキュリティや貴重品管理はちゃんとしているか、支払い方法や料金に問題がないか、は最低限確認しましょう。
そのために必要な中国語についてまとめました。
マッサージ店での値段の聞き方
通常信頼できるマッサージ店では、店頭にマッサージの種類と時間、それに対する料金が明記されています。
特に値段を聞く必要はない場合がほとんどですが、値段を聞く時は他の買い物の時と全く同じように「多少钱(Duōshǎo qián)?」で通じます。
例えば、こんな感じの会話の流れを覚えておけば、あとは単語を入れ替えた応用になります。
日本語 | 中国語 | ピンイン |
---|---|---|
客:全身マッサージはいくらですか? | 全身推拿多少钱? | Quánshēn tuīná duōshǎo qián? |
マッサージ店:何時間ですか? | 要几个小时? | Yào jǐ gè xiǎoshí? |
客:1時間です。 | 1个小时 | 1 Gè xiǎoshí |
マッサージ店:1時間で60元になります。 | 1个小时60块钱 | 1 Gè xiǎoshí 60 kuài qián |
どんなマッサージをして欲しいのかを明確に伝えることができれば、店員さんが料金を教えてくれますので、希望を簡単に伝えるだけでもいいかもしれません。
日本語 | 中国語 | ピンイン |
---|---|---|
全身マッサージお願いします | 我要全身 | Wǒ yào quánshēn |
足裏マッサージだけでいいです | 我只要足底 | Wǒ zhǐyào zú dǐ |
マッサージの種類
マッサージには様々な種類がありますので、マッサージの種類の中国語を整理しておきましょう。
種類 | 中国語 | ピンイン |
---|---|---|
マッサージ(徒手療法の最高峰) | 推拿 | tuīná |
マッサージ | 按摩 | ànmó |
足裏マッサ ージ | 足疗 | Zúliáo |
吸いふくべ(カッピング) | 火罐 | Huǒguàn |
グアシャー(カッサ) | 刮痧 | Guāshā |
いわゆる「マッサージ」の資格レベルや社会的権威は国や地域によって異なるので、地域によって多少表現が異なる場合がありますが、体をもむ、押す、転がす、震わせる、伸ばすなどの手技を用いて気と血液の流れを整え、腱、骨、関節の機能を改善する目的で行う施術は「推拿」「按摩」「推拿按摩」と表記されています。
本場中国では「推拿」が最高峰とされていて病院に推拿科があって内科、婦人科系、小児科などと連携して治療にあたるほど高い知識と技術がある医療プロの仕事として広く認められているそうで、マッサージ要素だけでなく「カイロプラクティック」や「理学療法」のような関節をダイレクトに調整するような手技が含まれる場合もあります。
このレベルだと日本の「整体」「あん摩マッサージ」とは全く違うものになります。
「足疗」は「足浴と足裏(から脚)マッサージ」のセットで、英国式のリフレクソロジーとも流れは似ています。
第二の心臓とも言われる足裏マッサージは日本でも人気ですが、漢方の足湯やマッサージオイルでのマッサージでしっかり解毒してリフレッシュできます。
ついでに足裏の角質取りや膝下のマッサージなども含まれている場合もあります。
「火罐」はカッピング(吸い玉)と呼ばれる熱したガラス製のカップを身体に密着させることで皮膚がカップの内部に向かって吸い寄せられる仕組みを使って血液の循環を改善させる(悪い血を抜くとも表現される)ことを目的とした中国に古くからある民間療法のひとつです。
出血させてからカップを置く方法や、皮膚にオイルを塗って、そのうえにカップを置く方法などもあり、マッサージ同様に血行の改善や筋肉のコリをほぐす効果が期待できます。
「刮痧」とは、天然素材(水牛の角やヒスイなど)で作ったヘラ(カッサ)で皮膚を摩るようにマッサージを行う中国の伝統療法のひとつです。
治療目的のマッサージはやはり値段も高めなので、普通のリラクゼーションマッサージでよい場合は以下のように伝えましょう。
日本語 | 中国語 | ピンイン |
---|---|---|
普通のリラクセーションマッサージでお願いします | 我就要中医保健 | Wǒ jiù yào zhōngyī bǎojiàn |
マッサージして欲しい場所の表現
マッサージして欲しい場所を細かく伝えられたらより快適に過ごせますので、身体の部位の表現も整理しましょう。
部位 | 中国語 | ピンイン |
---|---|---|
頭(頭皮) | 头/頭 | tóu |
首 | 脖子/脖子 | bó zi |
肩 | 肩膀/肩膀 | jiān bǎng |
背中 | 背/揹 | bèi |
腰 | 腰 | yāo |
お尻 | 屁股 | Jǐngchuí/Bózi |
太もも | 腿/大腿 | tuǐ/dà tuǐ |
ふくらはぎ(膝下〜足首) | 小腿 | xiǎo tuǐ |
くるぶしからつま先まで | 脚 | jiǎo |
全身 | 全身 | Quánshēn |
「推拿按摩」は是非全身で体験したいですが、施術前や施術中にマッサージ師が「哪里不舒服?(調子の悪い場所はありますか?)」と聞いてくれるので特に疲れている部分や集中的にやって欲しい部分があれば以下のように伝えてみましょう。
中国語 | ピンイン | 日本語訳 |
---|---|---|
哪里不舒服? | Nǎlǐ bú shūfú? | どこか調子の悪い場所はありますか? |
这里不舒服 | Zhèlǐ bú shūfú | (指差しで)ここが凝っています |
肩膀不舒服 | Tóu bú shūfú | 肩が凝っています |
腰疼 | Yāoténg | 腰が痛いです |
脖子不舒服 | Bózi bú shūfú | 首のあたりが凝っています |
マッサージする人の性別を指定したい時の表現
特に女性は、マッサージする人が男性や女性かは気になると思います。
その場合は、「女性のマッサージ師でお願いします!」などとはっきりと伝えましょう。
中国語 | ピンイン | 日本語訳 |
---|---|---|
我要女按摩师 | Wǒ yào nǚ ànmó shī | 女性のマッサージ師でお願いします。 |
単純に「女性または男性】が良いというと、性的なニュアンスで受け取られることもあるので、必ず「女(男)按摩师」と伝えましょう。
マッサージでよく使う表現
全身マッサージでは、施術中に体位を変える必要がありますので、その時にマッサージ師が使う表現を覚えておくと安心です。
中国語 | ピンイン | 日本語訳 |
---|---|---|
趴着,俯卧 | Pāzhe, fǔwò | うつ伏せになってください |
反过来 | Fǎn guòlái | 反対になってください |
力度怎么样? | Lìdù zěnme yàng? | 力加減はどうですか? |
マッサージの強さに関する表現
マッサージでは力加減の希望を上手に伝えられるとより快適に過ごせますので、以下の表現も覚えておきましょう。
種類 | 中国語 | ピンイン |
---|---|---|
もっと強く | (要)重一点 | Yào zhòng yīdiǎn |
もっと弱く | (要)轻一点 | Yào qīng yīdiǎn |
ちょうどいい | 差不多 | Chàbùduō |
きもちがいい | 舒服 | Shūfú |
イタ気持ち良い | 酸 | suān |
痛い | 疼 | tòng |
弱すぎて感じない | 没有感觉 | méi yǒu gǎn jué |
調整しながらこれでいい時は「好(hǎo)」と答えましょう。
ちなみに「疼」と「酸」には明確な違いがあります。
「疼」はいわゆる不快に感じる痛みのことで怪我した時などにも使いますが、「酸」はツボに刺激が入ることで痛みは感じるけれど心地よく効いている感じがするまさに「マッサージ」のための表現です。
直訳できる日本語はないのですが、「痛気持ちい」がニュアンス的に一番近いかと思います。